もにゃにっき

つれづれなるままに、ちょっとコアな話をする

杜王町はS市の中なのか?外なのか?

漫画『ジョジョの奇妙な冒険』の第4部『ダイヤモンドは砕けない』の舞台となっている架空の町、杜王町
より正確にはM県S市杜王町とされており、単行本の前巻までのあらすじやポータルサイト、アニメ公式サイトでも確認できます。

杜王町(もりおうちょう)

東北のM県S市にあるベッドタウン。ある事が原因で、スタンド使いが集まってきている町。

第4部 ダイヤモンドは砕けない | ABOUT | 「ジョジョの奇妙な冒険」公式ポータルサイト

1999年、空条承太郎は祖父ジョセフ・ジョースターの隠し子、東方仗助に会うため、日本のM県S市、杜王町にやってきた。

STORY -TVアニメ『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない』公式サイト-

…なのですが、この表記に凄く違和感があるんですよね、私。
杜王町って、本編での描写を見る限りS市の「外」にある設定のはずなんですよ。
集英社はあくまでS市杜王町という認識のようですが、荒木先生は違うつもりで描いていたのではないか?と。

そう思った理由を根掘り葉掘り書きます。

なお、杜王町は第8部『ジョジョリオン』にも登場しますが、所謂パラレルワールドなので考慮しません。
あくまで第4部の杜王町についてです。

 

杜王町はS市の外にある理由

「S市に行く」のような表現がある

一番の理由はこれです。

S市に含まれるなら、杜王町からS市に行くという表現は普通しない。

S市内から移転してきた

出典:ジョジョの奇妙な冒険 第4部 カラー版 (3)

至S市内

出典:ジョジョの奇妙な冒険 第4部 カラー版 (5)

この地図から読み取るに、杜王町はS市の北に位置するようです。

S市内の病院へ連れて行こうと

出典:ジョジョの奇妙な冒険 第4部 カラー版 (7)

杜王町にはなかったかな…(中略)S市内に行ったときだったかな~っ買ったの!

出典:ジョジョの奇妙な冒険 第4部 カラー版 (8)

これなどは「(宝くじを買ったのは)杜王町ではなくS市内」、逆に言えば「杜王町はS市内に含まれない」と言っている。

 

「S市のベッドタウンである」という説明

これはピクシブ百科事典に書かれていた考察。
通常「○○のベッドタウン」とは「○○の外」にあるものである、だそう。

dic.pixiv.net

杜王町」はS市のベッドタウンとして

出典:ジョジョの奇妙な冒険 第4部 カラー版 (1)

ただベッドタウンという言葉に明確な定義があるわけでもないので、不自然だがありえないというほどでもないか。

 

「町のマーク」がある

同じくピクシブ百科事典の考察。
市の内部にあって単独のマークを持てる行政区分は「区」だけであり、「町」は持つことはできない、だそうだ。

出典:ジョジョの奇妙な冒険 第4部 カラー版 (1)

ただしこちらも、百科事典内に書かれているように、ジョジョ世界での法律が現実と同じとは限らない…メタ的に言ってしまえば「荒木先生がそのような法律を知らなかった」可能性もあるので根拠としては少々弱いか。

 

また知恵袋でも聞いてみたところ、新規の市町村章として作ることは難しいが、古くからある町が、その町紋を習慣的に使い続けることはあるそうです。
detail.chiebukuro.yahoo.co.jp杜王町のものは「マーク」としか書かれていないため、「町章」ではなく「町紋」なのかもしれません。デザイン的には違う気がしますが。

 

 

よって、主に①の理由から、杜王町はS市の外にあると考えるほうが自然であり、S市杜王町という表記は集英社による間違いである。

 

 

 

とまあ、しばらくはそう思っていたんですが、この間見つけちまいました。

県S市 杜王町

出典:ジョジョの奇妙な冒険 第4部 カラー版 (11)

手書きでS市杜王町って書いてるやん!

吉良のプロフィールにも同様の記述があるので、恐らく誤字や誤植ではなく、荒木先生がキャラ毎に書いているという身上調査書にそう書いてあるのでしょう。

○出身地 S市 杜王町

出典:ジョジョの奇妙な冒険 第4部 カラー版 (16)

 

 

 

さて、免許証という公的書類に書かれている以上、ジョジョの作中では「S市杜王町」の信憑性は絶対であり、仗助たちの発言のほうが間違いということになる。

荒木先生のミスという可能性は否定できないが、そんな失礼な結論は避けたい、なんとか辻褄を合わせられないか…と考えていたところ、Twitterのフォロワーからこのような意見が。

「モデルである仙台市泉区(元泉市)同様、以前はS市外だったが編入されS市杜王町となったのではないか」という説だ。

これならば前述の町のマークの問題も説明が付く。編入前の町章が未だに使われているのだろう。S市に行くの発言も同様だ。

 

『現在はS市杜王町だが、編入前の名残が住民には残っている』。決まりッ!第4部完!

 

 

 

はい、またまた見つけさせていただきましたァン。

連載時(注:第四部の連載は1992年~1995年)は
S市というのが仙台市で、
杜王町はその郊外の街という設定で、
仙台市そのものが舞台ではなかったんです。

vol.18 マンガ家 荒木飛呂彦さん

 

結論

おとなはウソつきではないのです。
まちがいをするだけなのです……