伝説のスターブロブ2のゲーム攻略 にて、
というウワサが書かれています。
最初に見た時はふーん…くらいにしか思わなかったのですが、その後こちらのツイートを見た途端、ピコーンと色々なものが繋がりました。
『ポケモン赤緑』で毒タイプのジムであるセキチクジムにエスパータイプを使うトレーナーがいるのは、ジムの仕掛けは見えない壁→壁を張る技にはエスパータイプが割り振られている(バリアー、リフレクター、ひかりのかべ)→整合性を取るためにエスパー使いを配置する、みたいな事情なのでしょうか?
— passiono (@m53538) 2020年6月7日
このページではセキチクジムエスパー説の考察を進めていこうと思います。
セキチクシティ及びセキチクジムとは
カントー地方にある町のひとつで、ゲーム終盤に差し掛かるころたどり着くことになる街です。
5番目のジムがあり、ジムリーダーは忍者の末裔と言われるキョウ。
使用タイプはどくで、倒すとピンクバッジと「どくどく」のわざマシンがもらえます。
このセキチクジムにはよく考えるとおかしいポイントがいくつもあり、それらすべてが「エスパーのジムだった」と考えるとつじつまが合ってくるのです…。
初代はおかしくない部分の方が少ないとか言わないで。
どこがおかしいのか?
セキチクシティの色がおかしい
初代ポケモンにおいて、町の色とその町のジムのタイプは基本的に一致するようになっています。
例えばタケシのいるニビシティは「ニビは はいいろ いしのいろ」ですし
カスミのハナダシティは「ハナダは みずいろ しんぴのいろ」です。
マチスのクチバはオレンジ色と微妙ですが、電気が連想できないほどでもないでしょう。
一方、セキチクシティの色は「ピンク」です。
ゲーム中の看板にもはっきり書かれているし、SGB使用時のパレットもピンクです。
どくタイプを連想できなくもないですが、エスパーの方が自然だと思いませんか?
どくタイプならば紫色の方がイメージに近いでしょう。
ちなみに、シオンタウンが紫担当の町である他、セキエイ高原もゲーム中のパレットは紫っぽい色になっています。
ジムの仕掛けがおかしい
セキチクジムの仕掛けは「透明な壁」というものです。(目を凝らせば見えるというのは置いておいて)
一見すぐ近くにキョウがいるように見えても、迂回しないと戦えないという構造になっています。
この仕掛けには毒っぽさも忍者っぽさもありません。
ところで見えない壁と言えば、初代にはバリヤードというポケモンがいます。
この仕掛けにぴったりのポケモンではないでしょうか?
知っての通り、バリヤードはエスパータイプです。
もらえるわざマシンがおかしい
キョウからもらえるわざマシン06「どくどく」は、メタモンのような例外を除いてすべてのポケモンに覚えさせられるという仕様になっています。
これはあまりに不自然。
また、実はわざマシンの番号とその技の内部番号には概ね相関関係が見られるのですが、どくどくはこの数少ない例外になっています。
pandakatrimaculata.blog.fc2.com
よって、どくどくのわざマシンは何らかの理由で後から設定された可能性が非常に高いです。
その理由というのが、予定にないどくタイプのジムを急造したためではないでしょうか?
ちなみに、初代には他にどくタイプのわざマシンは存在しません。
もしエスパーのジムだったならどの技のマシンをもらえたのか?
これに関しては情報が少ないので想像の域を出ませんが、ワタルがカイリューに覚えさせているバリアーが該当したのかもしれません。
ヤマブキジムは何タイプだったのか?
セキチクジムがエスパータイプだった場合、製品版でエスパーのジムとなっているヤマブキジムは何タイプの使い手だったのか?という疑問が浮かんできます。
これに関して自分は、そもそも『ポケモンジムがなかった』という可能性を考えています。
上記サイトに詳しく解説していますが、
- 開発資料で他の町に番号が振られる中、ヤマブキにはTという英字が振られている。
- そらをとぶでのカーソル順で、セキエイ高原を差し置いて一番最後になっている。
- ジム戦で、勝っても負けても勝利フラグが立ってしまう。
- ジムのマップチップ(マップを構成しているデータの種類)が他と違う。
以上の点から、ヤマブキシティに本来はジムはなく、製品版におけるポケモンリーグに相当する施設が置かれていたと考えています。
カントー地方の中心都市であることと、町の色が金色という特別そうな色なことも一因です。
さらに、確実な情報とは言えませんが、流出した初代の開発中バージョンでは本当にリーグ本部がヤマブキにあったようです。
関連:グレンタウンにもジムはなかった?
少々脱線しますが、ヤマブキ同様グレンタウンにも本来ジムはなかったのではないかと考えています。
上記サイトに書かれているように、グレンジムもヤマブキジム同様に他のジムと作りが違っています。
これはジムの仕掛けをプログラムする時点では、6つしかジムを作る予定がなかったためではないでしょうか。
また、初代ポケモンにおいて町の名前は「ジムのある町はシティ、ない町はタウン」という法則になっていますが、グレンタウンのみ唯一の例外になっています。
開発資料のマップでも、「大きい四角で囲まれている町にはジムがある」という法則が見て取れますが、こちらもグレンのみ例外です。
ヤマブキにジムがなかった場合、シティだし四角で囲まれていることと矛盾するように思うかもしれません。
しかし前述したように、ジム以上の重要施設があった可能性があるため例外的にシティにしたとしても不思議ではないでしょう。
さらに、グレンには火山島という設定がありますが、これは初代のゲーム内ではまったく触れられない死に設定になっています。
これは元々、火山のダンジョンをグレンに置く予定だったが、ジムとポケモン屋敷の2つの施設を追加することになったため、
その分火山のダンジョンを削ったからではないでしょうか?
(ポケモン屋敷に関しては、開発中に伝説のポケモンを追加したという記述がありミュウツーのことだと判断、ポケモン屋敷も同時期に追加されたものだろうという考えからです。
1995年夏参照。)
以上がグレンタウンにはジムを設置しない予定だったと考える根拠です。
おわりに
セキチクジムの話に始まり、最終的に3つのジムの開発史考察を行いました。
セキチクジムに関しては中々説得力を持たせられたのではないかと思いますが、
今回の考察だけでは
「ヤマブキにリーグ本部があったなら現セキエイ高原には何があったのか?」
「どくどくを不自然とするならだいもんじも不自然になるはずではないのか?」
といった疑問は残ってしまいました。
そちらに関しては、このページを見てくださる、より詳しい方々との意見交換ができればなと思っております。
ご覧いただきありがとうございました。